長年続けてきた年賀状をやめる「年賀状じまい」。
特に60代になると、定年退職や還暦といった人生の節目を迎える方が多く、年賀状じまいを考えるきっかけになることがあります。
しかし「どんな文面なら失礼にならないか」「相手に誤解を与えない伝え方は?」と悩む方も少なくありません。
この記事では、60代の方にふさわしい年賀状じまいの考え方から、定年や還暦に合わせたフルバージョン例文、すぐに使えるテンプレートまでまとめてご紹介します。
感謝の気持ちを伝えつつ、自然に新しい人付き合いへ移行するためのヒントが満載です。
安心して使える文例を参考に、自分らしい表現で前向きな年賀状じまいを進めていきましょう。
年賀状じまいとは?60代が考えるタイミングと背景
年賀状じまいとは、長年続けてきた年賀状のやりとりをやめることを意味します。
単なる習慣の終了ではなく、新しい人付き合いの形へ移行する前向きな選択です。
ここでは、特に60代の方が年賀状じまいを考えるきっかけや背景について見ていきましょう。
年賀状じまいの基本的な意味
年賀状じまいとは「今後は年賀状による新年の挨拶を控えます」と相手に伝えることです。
これは、礼儀を欠く行為ではなく、丁寧に区切りを伝える大切なマナーの一つです。
近年はSNSやメールなど多様な連絡手段が普及し、年賀状に代わる方法を選ぶ人が増えています。
方法 | 特徴 |
---|---|
年賀状を継続 | 従来通りの丁寧な年始の挨拶 |
年賀状じまい | 感謝を伝えつつ、別の連絡手段に切り替え |
SNSやメール | 気軽でタイムリーなやりとりが可能 |
60代で年賀状じまいを選ぶ理由とは
60代は生活環境に変化が訪れる時期であり、その中で年賀状じまいを選ぶ方が多くなります。
例えば、退職や家庭環境の変化を機に、区切りをつけるというケースがあります。
無理に続けるのではなく、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
年賀状じまいを通じて、より自然で負担のないコミュニケーションの形を探していく人も少なくありません。
60代の年賀状じまいは「人とのつながりをやめる」のではなく、「新しい関係性を築く」ための前向きな選択といえるでしょう。
年賀状じまいを伝えるときの心構え
年賀状じまいは、ただ「やめます」と伝えるだけではなく、相手との関係性を大切にしながら表現することが重要です。
ここでは、相手に誤解を与えずに年賀状じまいを伝えるための心構えを整理してみましょう。
相手に誤解を与えない伝え方のコツ
年賀状じまいの文章では、いきなり「やめます」と書くと冷たい印象になりがちです。
まずは長年の感謝を丁寧に伝えたうえで、自然な流れで区切りを表現するのが理想です。
例えば、「これまで温かいお付き合いをいただきありがとうございます」と書いてから、「今後は別の形でご挨拶させていただきます」と続けるとやわらかい印象になります。
表現例 | 受け取る印象 |
---|---|
「本年をもって年賀状を終了します」 | やや事務的で冷たい印象 |
「長年のご厚情に感謝申し上げます。今後は別の方法でご挨拶できれば幸いです」 | 丁寧でやわらかい印象 |
感謝の気持ちを添える大切さ
年賀状じまいは「感謝を伝える最後の場」でもあります。
長年のやりとりに対して感謝を伝えることで、相手も気持ちよく受け止めやすくなります。
「これまでいただいたご厚情に感謝しております」という一文を添えるだけで、文章全体の印象は大きく変わります。
また、「これからも変わらぬお付き合いをお願いします」と添えると、関係を続けたい気持ちが伝わります。
フレーズ例 | 使うシーン |
---|---|
「長年のご厚情に心より感謝申し上げます」 | 親しい友人や親族への文面に |
「これまで賜りましたご厚情に深く御礼申し上げます」 | 仕事関係や目上の方への文面に |
「今後とも変わらぬお付き合いをいただければ幸いです」 | 関係を継続したい方全般に |
このように、心を込めた一文を加えることで、年賀状じまいは前向きな印象を持って受け止めてもらえるでしょう。
60代向けの年賀状じまい文例集
ここでは、実際に使える文例をまとめました。
定年退職や還暦など、60代の節目に合わせたフルバージョン例文もご紹介します。
感謝・理由・今後のお付き合い、この3点をしっかり盛り込むことが大切です。
定年退職を機に伝える文例
定年退職を迎えたタイミングで、年賀状じまいを伝える例文です。
シンプル文例 | フルバージョン文例 |
---|---|
謹んで新年のお慶びを申し上げます。 私事ではございますが、退職を迎えましたのを機に、 本年をもちまして年賀状でのご挨拶を終了させていただきます。 今後とも変わらぬご交誼を賜れましたら幸いです。 |
謹んで新春のお慶びを申し上げます。 旧年中は格別のご厚情を賜り、心より感謝申し上げます。 私事で恐縮ですが、昨年をもちまして無事定年を迎えることとなりました。 つきましては、誠に勝手ながら年賀状での新年のご挨拶は 本年限りとさせていただきたく存じます。 今後は電話やメールにてご連絡させていただければ幸いです。 これからも変わらぬご厚誼をお願い申し上げます。 |
還暦を迎えた節目に使える文例
還暦は人生の節目として、年賀状じまいを伝えるきっかけになります。
シンプル文例 | フルバージョン文例 |
---|---|
あけましておめでとうございます。 私も還暦を迎え、一つの節目といたしまして、 本年をもちまして年賀状によるご挨拶を終了させていただきます。 今後とも変わらぬご厚誼をお願い申し上げます。 |
新春のお慶びを申し上げます。 これまで毎年いただきました温かい年賀状に心より御礼申し上げます。 私も還暦を迎え、一つの区切りとして、 誠に勝手ながら本年をもちまして年賀状でのご挨拶を 控えさせていただきたく存じます。 今後は別の形でご連絡を差し上げられればと存じますので、 何卒よろしくお願い申し上げます。 引き続き変わらぬお付き合いをいただけましたら幸いです。 |
シンプルに感謝を表す文例
特別な理由を記さず、簡潔に感謝を伝えるタイプです。
短めの文例 | 少し丁寧な文例 |
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謹賀新年 旧年中は格別のご厚情を賜り誠にありがとうございました。 勝手ながら本年をもちまして年賀状でのご挨拶を 終了させていただきたく存じます。 今後ともよろしくお願いいたします。 |
新春のお慶びを申し上げます。 これまで長きにわたり、温かいお心遣いをいただきましたこと 心より感謝申し上げます。 誠に勝手ながら、本年を最後に年賀状でのご挨拶を 控えさせていただきます。 これからも変わらぬご交誼をいただければ幸いです。 |
「感謝」「区切り」「これからもよろしく」この3点を押さえれば、相手に誤解を与えにくい文面になります。
文例をアレンジして、自分らしい言葉でまとめるのがおすすめです。
年賀状じまいのテンプレートと活用方法
ここでは、そのまま使える基本テンプレートと、関係性に応じたアレンジ例をご紹介します。
定型文をベースにしつつ、相手に合わせて一言加えるのが自然な伝え方です。
使いやすい基本テンプレート
まずは誰にでも使いやすいシンプルなテンプレートです。
必要に応じて、相手への感謝や今後の連絡手段を加えてください。
テンプレート |
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謹んで新春のお慶びを申し上げます。 長年にわたり、温かいお付き合いをいただき誠にありがとうございました。 勝手ながら本年をもちまして、年賀状でのご挨拶は失礼させていただきたく存じます。 今後とも変わらぬご厚誼をお願い申し上げます。 |
相手との関係別アレンジ例(親族・友人・仕事関係)
関係性に応じて文面を調整すると、より自然に伝わります。
相手 | アレンジ例 |
---|---|
親族向け | あけましておめでとうございます。 これまで変わらず温かいお心遣いをいただき、心より感謝しております。 誠に勝手ながら、本年をもちまして年賀状でのご挨拶は控えさせていただきます。 今後は直接ご連絡を差し上げられればと存じます。 これからもどうぞよろしくお願いいたします。 |
友人向け | 謹賀新年 これまで年賀状を通してのご挨拶をありがとうございました。 勝手ながら、今年を最後に年賀状は控えさせていただきます。 これからはメールやLINEで気軽にやりとりできれば嬉しいです。 引き続きよろしくお願いします。 |
仕事関係 | 新年おめでとうございます。 平素は格別のご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。 誠に勝手ながら、本年をもちまして年賀状によるご挨拶は失礼させていただきます。 今後は必要に応じて直接ご連絡を差し上げますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。 |
相手との距離感に合わせて文面を調整することが、好印象につながるポイントです。
基本形をベースに、親しみやすさや丁寧さを加えて使い分けましょう。
年賀状じまいをスムーズに進める実践ポイント
年賀状じまいを進める際には、ただ文面を準備するだけでなく、相手との関係を意識した工夫が大切です。
ここでは、失礼なく自然に進めるための具体的なポイントをまとめます。
送る相手のリストを見直す
まずは、これまで年賀状をやりとりしてきた相手をリスト化しましょう。
「今後も連絡を取りたい人」と「形式的にやりとりしてきた人」を分けることが大切です。
特に親しい方や長い付き合いのある方には、年賀状じまいの理由をしっかり伝えると誤解が少なくなります。
相手の種類 | 対応の仕方 |
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親しい友人・親族 | 今後の連絡手段(メールや電話)を添えて伝える |
仕事関係の相手 | 形式的に丁寧な文面で終了を伝える |
付き合いが薄い相手 | 簡潔な文例で年賀状じまいを知らせる |
メールやLINEへの自然な切り替え方
年賀状じまいの際に、代わりの連絡手段を提示しておくと安心です。
ただし、押しつけにならないよう「よろしければメールで」など柔らかい表現を使いましょう。
相手にとって負担にならない方法を提案するのがポイントです。
例文 |
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今後はよろしければメールにてご挨拶をさせていただければ幸いです。 これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。 |
今後はLINEにて近況をお伝えできればと思っております。 引き続きお付き合いいただければ嬉しく存じます。 |
これからの人間関係を大切にする姿勢
年賀状じまいは、人とのつながりをやめるためのものではありません。
むしろ、相手との関係を新しい形で続けていく第一歩です。
「これからもよろしくお願いします」という言葉を必ず添えることで、相手に安心感を与えられます。
おすすめフレーズ |
---|
これからも変わらぬお付き合いをいただければ幸いです。 |
今後も末永くよろしくお願い申し上げます。 |
こうした一言を加えることで、年賀状じまいが「終わり」ではなく「新しい関係の始まり」として受け止めてもらいやすくなります。
まとめ|60代からの年賀状じまいは新しいつながりの形へ
ここまで、60代の方に向けた年賀状じまいの考え方や文例、テンプレートをご紹介しました。
大切なのは、年賀状じまいを単なる「やめること」と捉えるのではなく、前向きな人間関係の再構築として伝えることです。
年賀状じまいは、これまでの感謝を伝えつつ、新しい交流の形へ移行するための大切な節目です。
文例やテンプレートを参考にしながら、自分らしい言葉を添えてみましょう。
「これからもよろしくお願いします」という一文を忘れずに加えることで、相手も安心して受け取れるはずです。
ポイント | 意識すること |
---|---|
感謝を伝える | これまでの年賀状へのお礼を忘れずに書く |
理由を添える | 退職や節目など、自然なきっかけを伝える |
今後の関係性 | メールや直接の連絡に切り替える意向を示す |
60代からの年賀状じまいは、新しいライフスタイルに合った人付き合いを見つける機会にもなります。
これからも心地よい関係を大切にしながら、新しい一年を迎えていきましょう。
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